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「友引」の葬儀はタブー!?

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「友引」の葬儀はタブー!?

 日々、葬儀のお手伝いをさせて頂いていると、葬儀の日程など決めていくお話の中で、「だめだ、この日は友引に引っかかるわ~」とお客様が困った顔で困惑されている様子を見掛けます。
 お寺さんに聞いてみると、「そうゆうことは迷信で全く関係ないので、友引の日に葬儀をされても何ら問題はございませんので気になさらずに!」とおっしゃられます。

そもそも「友引」とはどうゆう意味なのでしょうか?

 何かわからないときはいつも「葬儀大辞典」という分厚い大辞典で調べるのですが、その中にはこう書かれていました。

「友引とは、中国の小六王(しょうろくじん)が日本に入って変化した暦注の六輝(先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口)のうちのひとつである。「友引」はもともと、「共に退く」ということで、勝負なしの意であり、宗教的立場から、この日に葬儀を営まないということは何の根拠もない。時と共に本来の意が友を引くという意味に取り違えられ、俗信としてこの日を葬儀の日からはずすようになった。宗派によってはこの俗信にとらわれることをいましめている。どうしても気になる場合、友がはずれるということで、午後三時以後に葬儀を行なったり、また、葬儀社の方で人形を用意し、それをお棺に入れて友を引かすという方法も行われてきた。

引用~「葬儀大辞典」(鎌倉新書)より

 私たちスタッフもこのような本やお寺さんからも上述のように言われていますので、お客様(喪家)には迷信ですので気になさらないで結構ですよ」とお伝えするのですが、実際にやはり「友引」を気になさる方は未だに多いように思います。

 先日、あるお客様のご葬儀を担当させて頂いて、やはり日程が友引に重なっていたので、ご遺族様は「まあ、気にしなくていいみたいだし、じゃあ、この日程で。」と葬儀の日を決定したのですが、このあと問題になったのが、田舎から会葬に行く予定であった親戚の方がとても驚愕して、「友引の日に葬儀をするなんてわしらには信じられんわ~」「これじゃ、当日は参加できんわ~。何とか日程変更できんか?」とおっしゃられる。だいぶ時間が経ってしまったものでみんなに連絡してしまったし、これ以上日程を延ばせないなどの理由もあったようで、日程変更もできず、そのご親戚は御立腹され「非常識や!もう絶対いかんから!」と電話を切られたそうです。
 このようにお寺さんや葬儀社が、もともと「友引」は迷信ですから気にしないでいいんですよとお伝えしても、昔からの言い伝えを絶対に守らないといけないと考える人も親戚さんの中にはいらっしゃるかもしれません。
 この事で、ご当家さんと親戚さんが仲悪くなってしまい、「せっかく大切な方の ご葬儀なのに、嫌な気持ちのまま送り出すことになった」というようなことだけは回避しないといけません。

結論

 本当は、迷信なので気にしないでください、と主張したい立場ではいるのですが、あの時の担当させて頂いたご遺族様の困惑された顔を思い出しては、とても気をつけて日程の打ち合わせをするようにしています。

では、「仏滅」って?

 ちなみに「仏滅」は、もともとは空亡・虚亡と呼ばれいて、この二つを「全てが虚しい」と合わせ解釈し「物滅」と表記するようになり、近年になって「物」に「佛(仏)」の字が当てられるようになったそうです。佛(仏)の字なってから、仏滅=仏陀が入滅した日と解釈される場合もありますが、仏教に深く関係しているわけではありませんし、「友引」と違って「仏滅」を気にされるお客様はほとんどいらっしゃいません。良い意味の解釈もあり、『物滅』とは「物が一旦滅び、新たに物事が始まる」ということから、「何か物事を始めるには良い日」という解釈もあるそうです。

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